情報紙82号ver.2
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3 水不足になると、庭の水やりが不便になりますね。ところで水を使わない庭があるのをご存じですか?それは日本のお寺で見かける「石庭」。その石庭が、水不足に悩まされている海外のある地域で注目されているみたいですよ。どんな感じで取り入れられているのか、紹介したいと思います! アメリカ西海岸のカリフォルニア州は年間を通して乾燥した気候で、雨季と乾季に分かれています。雨の少ない時期は大規模な山火事が起こることもあります。 2010年以降は毎年干ばつが続き、湖は干上がってしまい、家庭の水も出なくなるなど、大きな影響を与えました。昨年に州知事が終息を宣言したものの、今年も山火事が発生するなど予断を許さない状況は続いています。 そしてサボテンなどにとどまらず、日本の石庭のような石や砂利を使った庭の人気が高まっているとのことです。「禅」の作法がアメリカで流行した際注目されたのが、この時は一般家庭の人々にも広まりました。「石が島、砂利が海」と、ものに意味をつけ、庭にテーマを持たせることが魅力だという声もありました。 ホームセンターで石庭キットが売られ、庭づくりの会社では日本風のデザインをサイトで紹介するようになりました。さらに企業や大学の庭にも取り入れられ、和風の石庭がカリフォルニアのみならず全米でブームになりつつあるみたいです。 石庭と言えば京都の龍安寺が有名ですね。独自の世界観をつくり、大勢の観光客が見学に訪れます。この石庭が表す意味は今も謎に包まれているそうですが、何百年たった今も、水を使わずエコだとして注目されるとは、当時の庭師も思わなかったでしょうね。 干ばつ状態の時、各地の水道当局は節水を呼びかけ、庭の水やりを制限するようになりました。 水やりされないまま葉っぱが黄色っぽくなっても、水を守ろうと「黄金色は新たな緑色」というキャッチコピーが公園の看板にお目見えしました。 中には「芝生を取り除いたら助成金を出す」という制度を打ち出したところもありました。これは水やりが必要な芝生を使わず、サボテンのような水をあまり必要としない植物で庭をつくろうというものです。 参考文献:「米カリフォルニア州が干ばつ終息宣言、『節水の継続を』と知事」AFP BBニュース 2017年4月8日 日本航空 JALカード会員誌『アゴラ』2017年3月号 (イメージ) 龍安寺の石庭 (イメージ) 水のいらない庭づくり エコに恋して
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