くるくるプラザ96号
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守 ♪村の鎮守の神様の~ 今日はめでたいお祭日~(文部省唱歌「村祭」)神社には「鎮守の森」がよくあります。山や川、森、滝には神がいて、自然そのものに神が宿り、神社の建物のみならずその土地全体が神域であるとされています。そのため、神社の周辺の森林は人によって維持されたり、原生林を今に残したりするところもあります。そこで実際の「鎮守の森」はどんなものか探ってみることにしました。吹田市には霊験あらたかで有名な名神大社の垂水たるみ神社があります。ご近所なので、早速訪問しました。 垂水神社の「垂水の森」には、もともと自然信仰における「垂水の神」という水神が祀まつられていたとされています。孝徳天皇の御代みよ(飛鳥時代)に干ばつがありました。その時、千里丘陵の豊富に湧き出る水を「垂水の森」から今の大阪城の南にあった難波宮なにわのみやまで樋といを通して送水し、宮廷を潤したという伝説があります。垂水神社は干ばつの際には雨ごいが行われた名神大社です。実際になんらかの形で水を宮まで持って行ったのではないでしょうか。 さて吹田には、「吹田くわい」があります。たくさんの養分を含んだきれいな水のおかげで「なにわの伝統野菜」に選ばれている「吹田くわい」が自生していました。「吹田くわい」には吹田原産という意味の「スイテンシス」を入れた学名を、植物分類学者の牧野富太郎博士が与えています。宅地開発などで栽培量は一時減りましたが、最近は農家や市民のみなさんの努力により、徐々に増えてきています。 「鎮守の森」は神社と一体であり、人の寿命を超えた森は、ヒートアイランド現象を緩和するとともにCO2の吸収に貢献し、地域のシンボルにもなっています。「垂水の森」「垂水の瀧」はとても豊かな自然を私たちに与えていて、これからも大事にしていきたいと改めて思いました。 垂水の森 参考:式内名神大社 垂水神社由緒書 NHK関西ローカル番組「えぇとこ 幸せ吹き出す 名水タウン ~大阪 吹田市~」 吹博広場のサイト「シンポジウム『森の木と街の木』鎮守の森 垂水神社の大木」 「神社に秘められた日本史の謎」新谷尚紀監修 古川順弘著 洋泉社 その「垂水の森」は2011年に危機に陥ります。境内の東側の森にマンションの建設が計画されたのです。美しい森を子孫に残したい氏子・崇敬者すうけいしゃが「垂水の森を守る会」を結成しました。署名と奉賛金を集め3年にわたる反対運動を展開して、神社がその森を買い取ることになりました。吹田のナショナルトラスト運動といえます。 垂水の瀧 拝殿と森 2 ちんじゅご近所の「鎮の森」を探る

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